今朝TVで放送していたASKAのタクシー車内での映像。
完全にまずいよね。
誰がTV局に渡したのかよくわかりませんが、本人の同意はとってないと思われるし。。
個人情報保護法では、個人情報を取り扱う時は、利用目的の特定をしろと言ってます。
(利用目的の特定)
第十五条 個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(以下「利用目的」という。)をできる限り特定しなければならない。
2 個人情報取扱事業者は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
で、次の第16条で本人の同意を得ないで利用目的を超えた扱いをしてはいけないと言ってます。
(利用目的による制限)
第十六条 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。
第十六条には、続きがあって、特殊なケースの場合は、利用目的を超えて取り扱っても良いとなってますが、その特殊なケースは、以下の通り。
3 前二項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。
一 法令に基づく場合
二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
今回、タクシー会社は上記の四に該当するとして警察の捜査に協力するということでASKAの車内の映像を警察に提供するのであれば、良いと思われますが。
TV局に渡してTVで映像を流すというのは、明らかにおかしい。
そもそもの個人情報の定義は、個人情報保護法の第二条にありますね。
(定義)
第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
車内映像も生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別することができるものでしょう。
で、タクシー会社は、謝罪したんですね。
チェッカーキャブのHPに謝罪文が載ってました。
この度のチェッカーキャブ加盟会社の車内映像がテレビ等マスコミ各局にて放送されている事態につきまして
引用しておきます。
ホーム > 新着情報 > 2016年11月30日
新着情報2016年11月30日
この度のチェッカーキャブ加盟会社の車内映像がテレビ等マスコミ各局にて放送されている事態につきましてこの度、チェッカーキャブ加盟会社の車内映像がテレビ等マスコミ各局にて放送されている事態となっております。
チェッカー加盟各社の車両では、ドライブレコーダーによる車内外の様子を記録しております。これには、防犯の観点の他、万が一の事故などの原因解明に活用することで、「安全・安心」の更なるレベルアップにつなげる目的もございます。
映像の活用は、法令又は条例の規定に基づく場合を除くほか、事故・トラブル等の確認及び事故分析、原因究明、ヒヤリハット情報の収集 、安全運行に資するための研修教材の作成及び安全運転教育への活用 、ドライブレコーダー導入車両による安全運転指導の実施などへの活用にとどめ、記録映像は運行 管理統括部長などの管理者が厳重に管理することとしております。
また外部への映像提供にあたっては、刑事訴訟法の規定に基づく捜査機機関からの文書による照会に応じて提供する場合、ならびに事故やトラブルの状況及び原因を明らかにするために、その当事者、保険会社、捜査機関に提供する場合のみとしております。現在、マスコミ各社にて放送されている映像は、当グループ加盟の1社よりマスコミへ提供されたものでございますが、これは上記のような映像提供の事案には当たりません。映像提供を行った社に対しては、グループとして厳罰をもって対応し、記録映像の管理徹底を図らせる所存であります。放送された映像の関係者の皆様におかれましては、大変なご迷惑とご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。また、平素よりチェッカーグループをご利用いただいております皆様におかれましても、多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを重ねてお詫びいたします。
当グループでは、これまでも記録映像にあたっては、加盟各社に対し厳格な取り扱いを求め情報管理の徹底に努めてまいりましたが、このような映像提供が発生したことを踏まえ、今後は更なる厳格化をはかって再発防止に全力で取り組んでまいります。
平成28年11月30日
株式会社チェッカーキャブ代表取締役社長
チェッカーキャブ無線協同組合理事長
安田敏明
謝罪文によるとチェッカーキャブグループ加盟の1社がマスコミに提供したみたいですね。これは、完全に情報漏洩だと思いますが、提供した会社は、そうは思わなかったのかな?お金も動いたのでしょうか。
そして、この映像を放送した日本テレビ系列は、肖像権とプライバシー権を侵害しているということになると思いますが、放送する前にそこは深く考えなかったのだろうか。
わかっててもやったんですかね。確信犯的に。
チェッカーキャブが、映像を提供した加盟会社にどんな厳罰を下すのか。日本テレビ系列は肖像権とプライバシー権の侵害でどうなるのか。
今後の動きも気になりますね。
ま、お金積まれても法令違反の片棒は担がないようにしましょうね。